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SUMMA DI ARTHMETICA GEOMETRIA PROQORTICA & PROQORTIONALITA [2. ed.] : [1]

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中世後期を通じて、自由都市国家の発展によって、商工業を盛んにし、それから得た莫大な富を使ってルネサンス文化の花を咲かせヨーロッパに君臨していたイタリアの諸都市、中でもジェノバ、フィレンツェ、ヴェネツィアは、中世から近世への転換を果たす重要な役割を果たした。これらの諸都市の商人たちは交易路を開拓し、商品の売買を通じて文化の交流をはかり、人々の日常生活だけでなく精神的な面においても大きな影響を与えた。商業や貿易の発展をもとに為替業や銀行業なども発生し、イタリアは15世紀末には世界の商業の中心地として栄えたのである。そしてこの商業取引に必要な知識、例えば各地の生活様式や特産物、法律、貨幣や度量衡、簿記、計算、通信・交通、為替などについての知識は、やがて商人それぞれの個人的な体験をもとにした知識から、これら諸都市の商人たちの共通の財産として体系づけられ、図書として印刷されるにいたった。なかでも、北イタリアのサン・セポルクロ生まれのフランチェスコ修道院僧パチョーリFra Luca Pacioli(1450?-1520?)が著した≪算術・幾何・比および比例の総覧≫Summa de Arithmetica Geometria Proportioni et Proportionalita は現存する簿記帳として最古の文献として知られている。パチョーリはこの作品の199葉から211葉にかけての部分で当時ヴェネツィアで使用されていた複式簿記について解説している。この中の財産目録帳簿記入法の記述には、当時の商人が必要とした簿記の条件をほとんど完全に満たすものであった。そのため本書がヴェネツィアで刊行されると、イタリア国内はもとより次第に国外までもその影響は及び、次々と本書を模倣あるいは補訂した図書が刊行される有様だった。「算術・幾何・比および比例の総覧」は、その原典のタイトルの冒頭の単語“Summa(総覧)”をとり、今日では、むしろ“スンマ”として知られている。「スンマ」の初版本が出版された1494年という年は、それまで繁栄の絶頂にあったイタリアにとり悲惨な時代を迎える最初の年になった。フランス王シャルル八世はアラゴン王家の支配するナポリを征服する目的でイタリアへ侵入、この年の12月ローマに入城したのである。そしてこの後半世紀以上に亘って、イタリアはフランス、ドイツ、スペインなどヨーロッパ=キリスト教世界の主導権を争う諸国の格好の戦場となってしまった。イタリアの諸都市は豊かで、野心に満ちた国王たちのとって最も食欲をそそられる戦場のひとつだったのである。初版がヴェネツィアで出版された後、第2版が1523年ガルダ湖畔の町トスコラーノで、ブレッシャ出身の印刷業者パガニーニによって出版された。当時のヴェネツィアはイタリアのみならず全ヨーロッパの印刷産業の中心地で、260余りの印刷所を有し、その出版物は単に量ばかりでなく優美さや精密さにおいても他をはるかに凌いでいたといわれている。ちなみにこれら印刷業者の中でも、「海豚と錨」をトレードマークとしたアルドウス・マヌティウスは、ギリシャ古典を後世に伝えた最大の貢献者として名高く今日でも欧米諸国ではいくつかの印刷業者が、このマークを用いている位である。本学ではこれら初版本と第2版本を合わせて所蔵している。いづれも全革製フォリオ判で、世界的に稀である。特にこの初版本はインキュナブラと呼ばれ印刷文化史上でも大変貴重視されているだけでなく、本学図書館が所蔵される以前に、アメリカの会計学創始者モンゴメリー氏によって愛蔵されていたことが知られている。(神奈川大学図書館貴重書目録『古典逍遥』より)

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発行日タイトル著者
1523 SUMMA DI ARTHMETICA GEOMETRIA PROQORTICA Pacioli, Fra Luca

 

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